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全国初「民泊訴訟」が弁護士から提訴。今後の民泊関連法への影響は?

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(写真=Paul Matthew Photography/Shutterstock.com)

2016年12月6日に、自らマンションを所有する弁護士から「すべての民泊に旅館業法上の許可を義務づけることへの不適正を確認」する内容が提訴されました。

民泊新法の施行が待ち望まれるなかでの提訴は、今後の展開にどのような影響を与えるのかを考えてみました。

規定そのものへの是正を求める民衆訴訟

今回の訴訟を提起した弁護士は、自らも江東区にマンションを保有し、同区の保健所へ民泊の開設に関して相談にいったそうです。そこで旅館業の許可を取るように指導されたことに疑問を感じ「民泊すべてに旅館業が適用されることへの是正を求める」訴訟へと発展したようです。

現段階では、民泊を経営するには旅館業法上の「簡易宿所」として許可を受けるか、特区に指定されたエリアで「特区民泊」としての認定を受ける必要があります。今回の対象物件は江東区に属するため、原告が民泊をする際には、江東区の保健所から「簡易宿所」の許可を受ける必要があります。原告の民泊はまだ運営にも至っておらず、旅館業の許可申請も行われていません。行政側が行う処分に対して個人の権利保護を目的とした訴訟には該当しないことになります。

このように個人の権利保護ではなく、行政の行為に対しての是正を求める訴訟を「民衆訴訟」といいます。簡単にいうと法律の捉え方そのものが間違っているのではないかと、司法に確認を求めたということです。

この裁判で注目されるべき点とは

民泊の法的規制に関しては、政府と関係省庁や専門家を交え、段階的に旅館業の規制緩和や特区民泊規定として整備されてきました。2017年には、届出だけで民泊運営が可能になる「民泊新法」の施行も予定されています。

「この状況で不適正への是正?」と考えてしまうのは普通でしょう。しかし司法にも国会や政府に干渉されることなく適法性を判断する執行力があります。今回初の提訴が行われたことで民泊=旅館業なのか否かという判断が司法の場で明らかにされるということになります。

訴状の内容など具体的なことはまだわかっていないのですが、これにより「民泊は旅館業の適用を受けない」との判断がくだるとの見方をしている人は少ないようです。しかし判断をするのはあくまでも司法(裁判所)です。ワンルームマンション規模での旅館業法上の許可は、不適正とされる確率は決してゼロではありません。

民泊すべてを一括りにすることへの異論

提訴したマンションオーナーの弁護士は、会見で次のように説明しています。「規制されるべき民泊とそうでないものがあるのではないか」すべての民泊に対して、一括りにして旅館業法の規定を適用することに疑問があると示しています。

現在、厚生労働省から出ている民泊の取り扱いについての回答では、「人が自宅や空き家の一部を用いて行う民泊であっても、宿泊料を受け取り、宿泊業を行う行為は旅館業に当たる」としています。

民泊も「宿泊料」を受けて運営し、寝具などを提供します。これは、「宿泊させる」行為に該当します。旅館業法に旅館業の定義としてこの文言が定められていることから「民泊=旅館業」と取り扱われているのです。

今後の展開はどうなっていくのか

今後、訴状の内容や論点が発表されていくと、旅館業の定義のどこに問題提起したかが明らかになっていきます。既に法整備が完備に向かう寸前の民泊ではありますが、さまざまな問題も含んでいるのも事実です。

もし、この裁判で今までと違った見解が示されれば、これは大きな影響を及ぼすことになります。今後も注目していきたいケースだといえるでしょう。

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